以前タバコの効用として精神の安定や鬱、精神障害、ボケの緩和などがあるということを知りタバコを吸い始めたと書いたが、8月下旬に始めてからここまでの経過を一応書き記しておきたい。
8月の様子として、タバコを吸い始めてから妻の調子の悪い状態の継続時間が約半分の20時間程度になったということは書いた通りなのだが、9月に入ってからは、なんと妻はまだ一度も調子を崩していない。
ここまで11日間、ずっと基本的には話が通じる状態だ。精神年齢的には幼児のような状態のままだが、毎日来る日も来る日も朝起きてはテーブルにちょこんと座り、朝ごはんを待ち、朝ごはんを食べたらお風呂の掃除を一生懸命やり、その後ナンプレかドラクエ11をする。それから少しベッドで氷枕をしながら休んでお昼を食べ、またベッドで氷枕をしつつ休み、まだ明るいうちにお風呂に行く。そして外が暗くなる頃には夜ご飯を食べて、だいたい夜7時には就寝する。もちろん氷枕だ。
一度だけ起きている時間帯に少しの間だけ意味不明の発言をして、調子を崩しそうだったことがあったものの、その時は少し休んだら落ち着きを取り戻したことがある。あともう一回は、寝ている間に寝言で「獅子座の◯◯、死ねー!」と大きな声で言ったのだが、これも完全に寝ている状態だったので、何か悪夢でもみていたのだろうと思う。
このような状態なので、私の方もなんだか心に余裕が出てきて、売れるものを売って9月15日から10月14日までの生活費を確保するための作業も捗っているし、仕事の面でも今後どんな活動をしていこうかなどと思いを巡らすようなことまでできるようになってきた。
2018年はここまで、あまりに年始から妻の調子が悪く、私ももう生きる気力すら失いかけて、自暴自棄になりかけ、もちろん生産的な活動など何一つできなかったのが、まるで嘘のような変わりようだ。なんだか気持ちがとても前向きになってきている。
心配なのは、妻の歯だ。いつだったか歯科医で妻の歯を診てもらった時に、あっちもこっちも虫歯が相当酷いと言われたのだが、もう見るからに歯が透明になってきていて、そのくせあちこち黒く汚れたりしており、素人目にもかなり良くない状態だということがわかる。つい最近も下の前歯が2本欠けた。真ん中の2本のうちの1本とその脇の計2本なのだが、煎餅を食べただけでかけたのだ。本当にまずい・・・。歯が弱っている。
食事面では、牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、などなどカルシウムが摂取できるメニューを心がけ、カルシウムと結びついて骨を強くするというビタミンDを含むキノコ類を日常的に食べさせているというのにこの有様だ。
心当たりがあるとすれば、それは日光の欠乏だ。妻は上で書いた通り、ほぼ室内で暮らしている。なのでカーテンから漏れ入る日光以外はほとんど浴びてないのだ。骨を強くするポイントは、カルシウム、ビタミンD、そして日光を浴びることだと聞いているので、妻には日光を日常的に浴びせなければならない。
そういうわけで、9月に入ってから私は頻繁に妻に「一緒に骨を強くしよう、歯が白くなるよう頑張ろう」と言っては、妻を外に連れ出すようにしている。買い物に行く用事があれば、「スーパーの飲食コーナーでドリップコーヒーが飲めるから行こう」と誘ったり、妻が父親に手紙を書けば、これまでは私が出しに行っていたところを、「今から郵便局に行ったらお父さんに早く届くよ」などと言って自分で窓口に手紙を出させたり。9月に入ってここまで、3回連れ出すことに成功した。とにかくこっちも妻の骨を強くしようと必死だ。だが必死さを出さないように誘わないといけないので、務めて軽い雰囲気で誘うようにしている。
次は、“二人で紅葉を写真に撮ろう”作戦を考えている。うちにはかなり古いデジカメが1台あり、もう電池もなくなって久しかったものを充電してみたところ息を吹き返したので、なんとか使えそうだ。このカメラの良いところはシーンを選んでシャッターを押すだけという簡単操作なので、難しいことが苦手な妻にはピッタリだ。かつては妻も使っていたので馴染みもあると思う。そしてここ最近かなり家のものを売ったこともあり、その中の資金の一部を使ってもう一台カメラを調達し、二人で紅葉の写真やお出かけした時の景色を撮ろうと妻に持ちかけているところだ。幸い、私たちが住んでいる地域には山も多い。
近所の買い物や郵便局、市役所の用事に誘うだけではネタが切れそうなので、妻が元気だったときに好きだった写真を新たなネタとして使おうという魂胆なのだが、うまく行くだろうか・・・。そもそも10月に障害年金が出なかった場合にはこの作戦は無謀だったということになるのだろうが、今の所は写真ネタをうまく日常に組み込めるよう頑張ってみたいと思う。
コメント
schizoさま
はじめまして。
いつも拝見しています。一緒に暮らす彼がうつ病になり5年目を迎えるものです。
schizoさんの冷静な文章と、垣間見える奥様の愛らしさ、お2人の絆に
大変励まされています。
私は彼の発病の当時は病院にかかることも知識がなく出来ず、
原因不明の不眠や荒れた行動が続くので一年ほど私も仕事を辞めて看病的な闇の状況が続きました。
彼も仕事を辞めていたので
あっという間に資金もショートし、
今日過ごすこともやっとの状態でした。
今は精神科に通院できており
投薬で波はあるものの落ち着いた状況で過ごせる日も増えています。
彼の仕事復帰は見込みが立ちませんが
食事や睡眠、当たり前のことが
できるようになり、体調そのものが安定してきたようです。
私も今は派遣の仕事に就いています。
本来ならここで次のステップを
描きたいところですが
私の方の積み重なる疲労のようなものがここへきてドッと出てしまい
将来のビジョンを描けなくなっています。
やはり毎日の中での
小さな息抜き、がとても大切だと痛感しています。
彼のことがあって以来
外部の友人ともほぼ離れてしまい
孤立感も感じています。
友人にも、両親にもこの状況は心配されるのが嫌で詳しく話せずにいます。
schizoさんのタバコ、の記事を読んで私は喫煙はしないのですが、
何か彼との生活の中でできること
あるはずと考えているところです。
とにかく緊張感が私も続いているので5分程度でも気を抜ければいいのですが。
長文失礼しました。
また立ち寄らせてください^ ^
かのん
かのんさん、コメントありがとうございます。
パートナーが鬱病やその他の精神的な疾患になってしまうということは、肉体的な疾患とはまた違った辛さや苦しさがあると感じています。もちろん肉体的な疾患にかかることもそれはそれで大変辛いと思うのですが、精神的な疾患の場合、意思疎通ができなくなったり人格が変わってしまったりして、いわゆるパートナーとしての大事な役割を果たすことが不能になる面がありますよね。
そうなると健常者同士の間では当たり前に行われる“助け合う”とか“支え合う”ということが全く、もしくはほとんどできなくなって、どちらかが一方的に支えるという状況になりがちだと思います。孤独にもなります。そして多くの場合それが何ヶ月も、何年も続きます。私たちの場合もそうですが、何年か経つと「これは一体いつまで続くのだろう」とか「一体なぜこんなことになってしまったのか」というようなことばかり考えるようになってきます。しかもそう考えながらも一方的に支えなければならない状況は容赦無くのしかかってきます。
確かに、一瞬、もしくは少しの間、調子の良い時などにわずかながら“元気だった時のような面影”を垣間見せてくれることもあります。もちろんその姿やその時発する言葉などに癒されることはあります。ですが、それがあまりにも少なかったり、短すぎる時間だったりすると、その瞬間が良かっただけに、前にも増して落胆し、絶望が襲ってきたりします。
かのんさんはよく5年も頑張っておられますね。パートナーの方も少しずつ調子が良くなっていらっしゃる様子で、少しだけ安心しました。そうは言ってもまだ完全ではなく、これからもやはり多くの部分をかのんさんが支えていかなくてはならない状況なのだと思います。
これまでの献身とその負担で、かのんさんの心が少し疲れているのかもしれませんね。どうかあまり無理しないよう、ご自分のこともいたわって、少しでも楽しいことを見つけたり、うまく息抜きをしたりしながら乗り切ってください。少しくらいサボったっていいと思います。私も感じていますが、人間ってそんなに強くないのだと思います。負担や心労は少しずつ上手くかわしていかなければ、いつかは耐え切れなくなると思います。相撲に例えるなら、でっぷりとした横綱や大関の体重みたいに想像を絶するような重いものを、すべて真面目に真正面からがっぷり四つで受け止めることなんてできません。小結や幕下級の立会いのぶつかり合いだって、こちらは変化でかわしたほうが賢明です。たまにはまともに食らって客席まで飛ばされることもあるかもしれませんが、そうなってもしばらく客席で倒れたまま休んだっていいと思うのです。そうして客席で倒れているときに、観客がジュースでも差し出してくれたら、もちろんありがたくいただいてしまえばいいのだと思います。取り組みなんて負けてしまっても構わない。取り組みに勝とうとしてがっぷり四つに受け止めて、こちらが取り返しのつかないダメージを受けて二度と立ち上がれなくなることだけは避けられれば、それでいいのだと思います。
少し相撲の例えが長くなってしまいましたが、パートナーの彼にとっても、かのんさん自身にとっても、かのんさんが受けるダメージを最小限にしつつ、細く長く、でも無理せずに、余裕を持って支えてあげることができればいいのかなと思った次第です。長くなってしまっては困りますが・・・。
私も失敗しながら、つい力みすぎてしまったり真剣に受け止めすぎたりして、精神疾患のパートナーの介護の難しさに打ちのめされてばかりの日々ですが、かのんさんものらりくらりと、やって行っていただければと思います。少しでもかのんさんご自身の疲労が癒されて、将来の絵をもう一度描けるよう、陰ながら応援しています。彼も早く良くなるといいですね。
私も身を削り努力をされていることを認識し、大変に失礼と存じ申し上げますが、奥様の発症時と比べお薬もかなり新しくなり副作用も出にくいものに変わっております。
そして入院となった場合でもずっと人道的な方針に則った病院が増えております。
あらためて投薬治療を検討されるお心はないのでしょうか。
匿名様
ご心配の内容もよくわかります。確かに今一般的な治療方法は薬物療法で、向精神薬も新しいものが次々と開発されていますね。
ただ一方で、どんなに新薬が出ても副作用自体は決して無くなりません。副作用のない夢のクスリが存在しないのは事実です。
妻も比較的新しいとされるジプレキサを服用していましたが、まさにその時に重篤な副作用が出ましたので、正直私が怖いということもありますし、何より妻がクスリを怖がってしまっています。病院の医師とも相談しつつ治療を進めていますが、やはり妻の体質を考えると、精神療法と栄養療法の両面で行こうということになっています。
また、やはり入院した場合は、特に夜間に看護師や医師の人員が限られてくるので、どうしても身体の拘束などをせざるを得ないということを今現在通院している病院でも言われているところです。
それと、もう一つ、私は妻のあのまるで死ぬんじゃないかというような副作用を見て以来、色々と調べてみて、さまざまな医師の向精神薬に対する意見や考え方などに触れてきましたが、向精神薬がどれほど危険なものなのかということについて警鈴を鳴らしていらっしゃる方々もおられます。実際に精神医療の現場に関わっておられる方々です。そういうものを知ってしまうと、なかなか勧められるままに薬物療法をしていこうとは思えないのです。
うだるような暑さも過ぎ去ったことですし、少しずつでも奥様が外に出られるようになるといいですね
思えば私の病状が芳しくなかった頃、夫は何かと理由をつけて外に連れ出してくれてました
「裏の土手に彼岸花が咲いてるよ 二人で観に行こう」とか「今から缶ジュース買いに行くんだけど、どれが飲みたい気分か分からないから一緒に選びに行こうよ」とか本当に些細なことでした
きっとschizoさんと同じ理由だったんでしょうね
梅子さん
コメントありがとうございます。
返信が遅れてしまいましてすみません。
とても良い旦那様ですね。少しでも梅子さんの気分が良くなるように、
そして健康が保たれるように、旦那様も色々と考えておられたのだと思います。