3度目の医師の交代

5月に入って妻の調子はずっと悪かったのだが、つい先日、いつも病院に行っていた曜日の朝から妻の調子がよく、話もできたのでかかりつけの精神科に行ってみた。もちろん帰りにいつも通りマクドナルドに行こう、と言って“楽しいイベント化”することも忘れずに。

病院に着くまでは、妻も話が通じていたのだが、医師に呼ばれる直前にはもうブツブツと独り言が始まっており、あまり良い状態を見ていただけなかったが、それでもなんとか新しい医師と会うことができた。3度目の交代だ。

新しい医師は、妻の苦手な女性ではなく、真面目そうな若い男性の方だった。カルテなど書類上の引き継ぎは前の医師からあったのだとは思うが、やはり簡単にこちらからこれまでの経緯を改めて説明する必要があった。それというのも「お薬はどうですか?」と訊かれるからだった。

大雑把に、3度目の再発で3回入院したことがあること、初期からこれまで、旧型新型含め様々な向精神薬を経て来ていること、副作用で悪性症候群になり、それへの対処で処方されたダントリウムによる癲癇のような重篤な症状を複数回呈したこと、それ以降は支持的精神療法と精神栄養学に沿った食事療法を続けていること、などをお話しした。

新しい医師は、精神栄養学には精通しておらず、薬物療法しかご経験がないとのことだったが、一応これまでの療法を継続していただけるということになった。

このようなことを話すのに30分程度はかかったと思うのだが、よくも辛抱強く聞いてくださり、時間を割いていただけるものだと思う。何度か書いているが、以前暮らしていた都会の病院では考えられないことで、大変ありがたく思う。

妻はその間、ブツブツと最初は静かに独り言を言っていたが、何度か医師に話しかけられるうちに、次第に医師の顔は見ないで私の方ばかり見るようになってしまい、ついには大声で叫び始めた。

「今日はこの辺りで限界ですね」ということになり、診察室を後にした。おそらくだが、新しい医師に会うのも妻は緊張するだろうし、もともと人見知りなので、やはり相当なストレスだったのではないだろうかと思う。

帰りのバスに乗ると、安心したのか、妻はニコニコしながらの楽しそうで静かな独り言になったのだが、いつも下車していたマックのあるバス停を通過したあたりからまた叫び始めてしまった。私は妻の様子から、途中下車してマックに寄るよりも、まっすぐに帰宅して改めて私だけマックに買いに行った方が良いかと思ってマック下車しなかったのだが、この結果を見るに失敗だったようだ。次回からはマック下車必須だ。

帰宅後に計画通り私だけがマックに妻が楽しみにしていた“マックリブセット”を買いに行き、妻に届けた時には、家中のカーテンが閉められ、妻の絶叫がこだましていた。仕方ないので、ベッドの脇のテーブルにマックリブセットを置き、私の分はダイニングテーブルに持って行った。

後で確認しに行くと、しっかりと妻は間食していたので一応良かったが、できればもう少し楽しい感じで食べさせてやりたかった。マック下車をしないという失敗判断が悔やまれる。

ところで、4月の調子の良かった時期に2度ほど行くことができた歯科にはあれから行けてない。治療中の歯には仮のセメントが詰まった状態だが、最終的な被せ物をつけに行くことができていない。やはり継続治療が必要な歯科のようなところに行くには、この妻の病気の症状はなかなか難しいのかもしれない。歯科医は「今治療している上の歯だけでなく、下の歯も2箇所ほど治療した方が良い」とおっしゃっていたが、1本目の歯の治療に半年以上かかり、2本目も未だ終了していないことを考えると、3本目、4本目など気が遠くなってくる。歯を削ると、その削った部分がポロポロと欠けてくるし、歯の神経を抜いて、歯の中を空っぽにして薬物を詰めると、歯が死んでしまうのではないか?神経があるから、歯からいろんな感覚が感じられ、歯の中が神経その他で詰まっているからこそ、ある程度のエナメル質等の修復が自然に行われるのではないかと思うのだが・・・。

とにかく、妻の今の状態と、期間の面でも、方法の面でも、私の思いと反する治療との間で、私自身の身が焼かれるような焦りを感じつつ日々を過ごしている。

渡すと、手を出して受け取るかっぱえびせんを、ニコニコ笑いながらぽりぽりと食べている妻の笑顔だけが救いだ。

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コメント

  1. Takeman より:

    主治医が変わるというのはいろいとろ神経使いますね。私の場合も前の病院ではほぼ一年ごとに主治医が変わってしまっていたので個人のクリニックに転院することにしました。でも結局妻が病院には行きたがらないのであまり変わりはなかったのですが。
    歯医者なのですが、全身麻酔をやってくれるようなところを探してみてはいかがでしょうか。口腔外科とかであれば麻酔で眠っている間に治療というかたちでやってもらえるので少しは治療がスムーズにいくかと思います。

    • schizo より:

      Takemanさん
      コメントありがとうございます。主治医の変更は、相性の問題もありますので、いつもハラハラしています。幸い今妻が通っている病院では引き継ぎが丁寧にされているようで、その部分は安心しています。うちの妻も病院を楽しみにしているわけではないので、やはりマックと抱き合わせにするなど、楽し皆要素を加えてあげないとなかなか難しいです。
      歯科医院ですが、妻の場合は全身麻酔以前に、歯科医院に出かけること自体が難しく、継続治療には苦労しています。なかなか予約の日に調子が良い日が合わないので・・・。調子が良い日は、局部麻酔のみでも、じっと我慢して治療の間じっと口を開けています。頑張っているな、という印象です。