ここのところ、某大物音楽プロデューサーの不倫について報道され、本人が高次脳機能障害を負った妻の介護をしていたということもあり、介護の問題と合わせてあちこちで議論されている。
私自身は、この音楽プロデューサーとなんの関わりもない一般人で、障害を持つ妻とこの方がどんな関係性で、どんな日常を送っておられたか、障害の程度がどのくらいか、改善の見込みはどうだったか、介護者本人の負担はどの程度であったか、などについてご本人の用意されていた会見時のメモを含め報道された範囲でしか知る由もない。
ただ、同じように高齢者の介護ではなく、脳に障害を持つまだ若い妻を介護する夫として、一つだけ言えるとすれば、まだ若い妻が障害を持ち、治るか治らないか不透明で、よくならない可能性の方がどちらかといえば高いように思え、障害者本人がかつて持っていた大人としての理解力や判断力もない子供のような状態での介護者である夫の心理状態、精神状態は殆ど
“うつ状態”
であるということだ。
生きるためになんらかのバランスを取るための要素が必要な状態だ。周囲からの助けであったり、心の支えであったり、なんでもいいが、それがないと崩壊してしまうと思う。
ご本人の会見を見る限り、あれだけ才能を発揮し、一時代を気づいた彼が、まるで老人であるかのような覇気のなさで、弱々しく思え、大変心配になった。完全に先の見えない介護の絶望状態に見えた。
ここからは完全な推測だが、歌手であった妻が好きだった音楽、歌うことに全く興味を示さない女の子のような状態になり、あの絶望状態、うつのような状態の中、彼にとっての“生きるためにバランスを取るための要素”が、例の看護師の女性という存在だった可能性が大きい。推測だがおそらくその通りだろうと思う。
不倫だとか、事実がどうであったかなどということはもちろん私にはわからないが、あんなに弱っている彼が、どこかに助けを求めてはいけないのだろうか?大人として対等に話ができなくなった“被保護者”としての妻の介護を最優先にするのはもちろん大切なことだが、妻の他の異性のだれかと普通に話をしたり、ある意味癒してもらうというようなことがあってもいいのではないか?そのことで、心の元気さを取り戻し、また妻の介護を頑張れれば、それはそれでいいのではないだろうか。
“持ちつ持たれつ”という言葉がある。人間はそんなに強くはないし、もちろん聖人君子などいない。誰でも成功や失敗を経験し、助けたり助けられたりしながら、少しずつ成長するものではないのか?はじめから100%間違いがないなら、人間なんかやる必要はない。最初から神をやっていればいいのだ。
芸能人だって同じ人間だ。興味本位でプライベートを暴きたて、まかり間違ってもしものようなことを引き起こしてしまったら取り返しがつかない。メディアの方々には、ただただ“金になる”というようなまるでハイエナのような感覚だけでなく、人間らしい、暖かい良識を持って報道していただきたいと思う。面白がって部数を稼ぐことのみを念頭においているならば、それは樹海の自殺者を映して面白がり再生数を稼ごうとしている不届きなYoutuberとなんら変わりがない。
コメント
本当に同感です。介護問題への問題提起ではなく、ただの悪ふざけ的なタイトルには腹立たしさを感じました。
正直、お互い大人でまして、有名人ということで、看護師さんだって相手の家庭状況をわかった上での関係なのだから、他人がどうこうと言う立場ではないです。誰かに安らぎを求めて、求められた相手が納得しているなら、それで良いと思います。もし奥様のご実家で彼の介護が不満ならとっくに離婚させていたと思うし…
奥様のことを話すときの辛い表情が忘れられません。
介護されてる側からすれば、夫の心の支えとなってくれる方がいてくれるのはありがたいです
うちの場合、私の両親姻族共に全く病気への理解がなく、家族会も近くになく、ケースワーカーは「大変だけど頑張って下さい」くらいで公的支援も少なく孤立していました
頼れる場所がないというのは、ジリジリ心身が削られます
そんな時に楽しく過ごせる女性が現れたら、なびきますよね
自分以外の女性に目を向けられるのは複雑な心境でしたが、家庭が完全に壊れるよりはましと言い聞かせてましたよ
逆もまたしかり
介護に疲れた夫の暴言と暴力があまりにひどかった時期に心の拠り所になってもらっていた方がいます
よく電話で夫への愚痴を(夫の女性関係も含めて)聞いてもらっていました
帰れる実家はなく、シェルターは紹介もされず、入院は病状が悪化するからできない
夫に「殺してやる」と首を折られそうになって警察に通報しても注意されるだけで、通報したことに激昂した夫からますます罵声を浴びるばかりで苦しかったです
通話がほぼ寝たきりで世間から隔絶された私の唯一の逃げ場でした
今は私の病状が落ち着いたので夫も正気ですが、地獄のような日々でした
介護する側もされる側もオアシスは必要です
ただ、今回の件が本当に不倫関係でないなら、不倫と勘違いされるような行動は慎むべきだったと思います
はじめまして。時折拝見しておりました。
寒さの厳しい日々が続いておりますが、奥様は穏やかに過ごされていますか。
私は何が理由でも不倫はご自由に、好きにしてくれと思います。
家族間の問題ですし他所が口を出すようなことでもないですから。
一時の安息を得られるならばその日だけの関係を連日作ろうが私は何も言うことは無いです。
それで本当に幸せになれるんですかという疑問は残りますが…。
ただ当然避妊だけは徹底して欲しいです。不倫の末の子供は成長すると生まれたというだけで罪悪感を覚えますし、した側もされた側も円満で幸せな家庭になった事例を私は知りません。
ダブル不倫の末に両者配偶者と離婚。
慰謝料で一文無しになって逃げるように暮らしている最中に子供を産んで、
その子供に罵声を浴びせながらこき使い、
子供の発達が遅れていようが、数年後トラウマに起因する病を発症させようが病院にも連れていかず、気に入らない時は殴る蹴る時の標的。
子供を限界まで働かせておいて、給料はすべて引き抜きパチンコに使い込み。
最後は俺達の関係がうまくいかないのはお前のせいだと、お前が生まれたせいだと言い放つ始末。
私の両親のことです。世の中の不倫肯定派にはこのような野生動物のような者達もいるのは忘れないでほしいです。
私は医師や配偶者に恵まれ今は両親と絶縁しましたが、未だに抑鬱、幻覚や記憶障害の症状に苦しめられています。
因みに互いの元配偶者の間にも子供がいますが、皆精神に病を抱えています。
極普通の家庭環境の元でぬくぬく育った人間たちが、テレビで不倫について何も知らないくせにああだこうだ言ってる姿はなんだか笑えてきます。
世の中は簡単にはいかない。そう都合よくいかない。当事者や巻き込まれた者達だけが知る苦痛がそこにあるのてす。
popoさん
コメントいただきましてありがとうございました。
今に始まった事ではもちろんないのですが、他人の日常をあれこれ暴き出してそれで陰口をいうのが楽しみだという輩が一定人数いるということなのでしょうね。それが商売になってしまうのでそれを収益に変えてしまうものが現れるのだとも思います。しかし、このような他人の不幸を自分の蜜にすることを禁じられたら、そのような人たちの日常のバランスが崩れてしまい、そのことで新たな問題が発生するとしたら・・・。考えたらきりがありませんが、今回記事になってしまった彼と奥様、そして看護師の方も含め、決定的なダメージを受けることなく、今後の人生が少しでも穏やかで明るい方向に進んで行ってほしいと願います。
梅子さん
コメントありがとうございます。
本当に、このようなことを書いていただくのは、思い出すだけでも辛いでしょうし、またそれをありのままに他の方にもわかる形で書くということも勇気のいることだと思います。実際書いていただいているように、公的であったり職業柄の方からの支援というのは表面的に終わることが多いというか(それでもないよりはマシですが)、本質的な救いにはなり得ないことが多いと思います。そのような中、親身になって、本当に理解をしてくれ、一緒になって涙を流してくれるような人がそばにいるということ。それだけでも救われるのだと思います。梅子さんは、介護に疲れた旦那さんから暴言と暴力を受けながら、首を折られて殺されそうになってまでも、家庭が完全に壊れるよりましだと、介護に疲れた旦那さんのことに理解を示されて過ごして折られたのですね。通話で話を聞いてくれた方の存在も大変大きいものだったと思います。まさにオアシスですね。ただ、最後の部分「不倫と勘違いされるような行動は慎むべきだった」というのはその通りだと思います。いかに介護で心身ボロボロでもその程度の良心というか自制は効くと思いますし、何より自制なくオアシスになってくれる方に全て気持ちが行ってしまったら、本来するべきである介護まで完全にできなくなって本末転倒ですので。
綿花さん
コメントいただきましてありがとうごいました。
とても壮絶な生い立ちに、読みながら涙を禁じ得ませんでした。そのような過去を背負っておられ、いまだに抑うつ、幻覚、記憶障害に苦しめられながらも、一歩距離を置き、客観的に全ての動きを把握されていらっしゃることは素晴らしいことだと思います。もっというと、そのようなことを経験した当事者だから持つこのとできる達観だと思います。これは別に想像で、わかりもしないのに書いているということではありません。実は私自身も両親のダブル不倫に巻き込まれた当事者だからです。私は不倫して去って行った父の残した方の子です。父は私が小学校高学年の時に旦那と子供を持つ別の女性と不倫の末に、妻(私の母)と私たち子供を捨てて出て行きました。当時母は毎晩布団で寝ながら泣いていました。子供心にとてもかわいそうだと思っていた反面、あんなひどい父親がいなくなってよかったとも思っていました。しばらくして母と私たちが暮らす家に、父が不倫相手と新しくもうけた子供が頼ってやってきましたが、母は「関係ない」と言い放ち返してしまいました。当然私たちより小さな子だったのでかわいそうでしたが、それほどもう父のこと、そして不倫相手の女性を許せなかったということなのでしょう。父が今どこでどうしているのか、生きているのかどうかすらわかりませんが、あまり良いことにはならなかったのではないかという想像はつきます。新しくできた子供を手放すぐらいですから。確かに不倫は巻き込まれた人たちにも心に大きな傷や影響を与えます。そして子供の頃に親の不倫、離婚を目の当たりにし、捨てられた子供であったからこそ、私は病気になって話も通じなくなった妻でも見放すことなく幸せにしてやりたいと考えているのかもしれません。