今年のゴールデンウィークは、先月あたりから妻が県内のGWイベントに行きたいと交換日記に書いていたので、それに行ってきた。これも地元に引っ越してきて6年目になるが、初めて実現した。4月の花見&コンサートといい、GWイベントといい、今年はこれまでになく調子がいい。
少し前から妻には「調子がものすごくよかったら行こう」と伝えていたのだが、予定の日の早朝は調子がよかったのが、いざ出かけてみてから地元の駅で「あの女のひと(そこにはいない人)が気持ち悪い〜」「きら〜い」などと言い始めた。”あ、これはいかん、調子が下り坂だ”と思って、「帰るか?行くのやめとくか?」と妻に話しかけると、しばらくして妻がテンションの低いちびまる子ちゃんのような喋り方で「気持ち悪いこと言って悪かったよ」と言ってきたので、大丈夫かな?と思ってそのまま電車に乗り込んでイベントに出かけた。
このように独り言について謝ってきたのは初めてのことだ。おそらくどうしてもイベントに行きたかったので、取りやめにされるのがよっぽど嫌だったのだろう。
妻が調子がいいのは主に午前中で、疲れると調子が崩れることが多い。なのでイベント会場にも催しものが始まる前に到着し、たくさん並んでいる準備中のステージや、営業を始めた露店、ぼちぼち現れ始めた人々や観光客を一通り眺めて歩いた。そうこうしているうちに、早くも妻が疲れた様子になって、独り言が加速してきたので、ランチに予定していたマックに時間前倒しで入った。午前10:00だ。予定していたハッピーセットを注文すると「ソーセージエッグマフィンになってしまいますがよろしいですか?」と店員。なんと、まだ朝マックの時間か!?なんという早弁・・・、と思ったが仕方がないのでそのまま注文。しかも妻が欲しがっていたサンリオグッズはすでに売り切れていて、代わりに「DVDを配っています」という。しょがないので「トムとジェリー」と「アナスタシア」のDVDをもらった。
座って食べ始めると、一層声のボリュームを上げつつ叫ぶ妻の横でハラハラしながらなんとか二人とも食べ終え、無事に店から出ることができた。それから一目散に帰宅した。
イベントの催しが始まる11:00を待たずして会場を後にしたものの、前々から計画していたイベントに4月に続いて5月も行くことができた。これで2連勝だ。ただ、ゲストなどに何組か有名な芸能人なども来ることになっていたので、多少見てみたかったが、とりあえずは”その場に行くことができた”ということを喜びたいと思う。
妻は、帰宅後よりいっそう妄想、幻覚、幻聴がひどくなり、それから約2日間不眠不休で叫び続けた。そしていつものように36時間ほど経過すると、妻はまたしてもケロッとして調子が良くなっていた。DVDをもらったことをちゃんと覚えていたのか、トムとジェリーのDVDを手に持って私に迫ってきたので一緒に観た。アカデミー賞受賞作品数点と、同ノミネート作品数点を集めたDVDで妻も大爆笑の面白さだった。
次の日はアナスタシア。ロシア革命で翻弄されたロシア皇帝の娘のお話。アニメーションなのだが、これがものすごく面白かった。感動の作品。妻もじっと観ていた。同じように感動しただろうか・・・。その辺りは不明だ。ともかくまだ鑑賞されてない方には是非オススメしたい。
この間、妻の誕生日もあった。
これはその時に私がチャレンジした手作りケーキだ。
正直大失敗で、本当はもっとクリームでデコレーションする予定だったのだが、クリームが固まってくれず、スポンジケーキの土台にドロドロと上からクリームを垂らして、冷やしてかろうじて残ったクリームがうっすらとスポンジにコーティングされている。一応スポンジは水平に半分に切って、中に薄切りイチゴとドロドロクリームが挟んである。
なんと驚いたことに妻はこの残念な仕上がりのお誕生日ケーキを「ケーキ、ケーキ」と言いながらせがんでくれて、喜んでパクパク食べていた。大好評だった。そして数日後に覗いた妻の手帳の誕生日の日付のところに”手作りケーキ”と書いてあった。これは本当に嬉しかった。
13日、14日はほぼ丸々2日間調子が悪く、またしても不眠不休で何も食べずに叫び続けていたが、14日の真夜中に静かになった。私が妻の寝ていたベッドの枕元に行くと、フッと目覚めたようで、眠そうながらも驚いたような顔をしながら半身を起こして私の両腕をガシッとつかんできた。叫んでいる最中は、妻は妄想の中で忙しく、私はほぼ蚊帳の外なのだが、ふと気付いた時に私がそばにいる、というのが安心するのか、そういうのが大事なのかなと感じた。
今日からまた数日は調子の良い状態が続くと思うので、栄養をつけてやったり、また一緒に楽しく遊んだりしてあげたいと思う。
コメント
香菜子です、いつも大変参考にさせて頂いています。奥様と素敵なゴールデンウィークを御過ごしになられたようで何よりです。統合失調症の奥様との時間を大切に過ごされている様子が目に浮かび、心から感動しました。病気の時や困った時に支えてあげることが本当の愛情ですね。私も統合失調症の家族を持っていますが、私はこれまでさんざんお世話になって迷惑もかけてきたのに、いざこちらがお世話をする立場になったら、精神病からく理不尽な言動にいちいち腹を立ててしまってなかなか優しく出来ません。自分の自己中心的で身勝手な性格、情けないです。香菜子
初めて書き込みをさせていただきます。
昨年結婚した私の妻も今年に入って少しずつ体調を崩し、ゴールデンウィーク前に統合失調症と診断されました。
妻は学生の頃、精神的な病気で入退院を繰り返していたのですが、交際している時はとても元気で調子が良かったで、苦しんでいる姿を見て本人は余計に辛いように思えます。
妻への接し方などまだわからないことばかりなので、これから参考にさせてください。
手帳に書いてあった手作りケーキの文字
泣きそうになってしまいました。
良い誕生日になって良かったです。
香菜子さん
コメントありがとうございます。
お世話をする立場になったらなかなか優しくできない、ということでご自身のことを身勝手な性格と行っておいでですが、ご自分を責めないでください。誰しも病者の持つ理不尽さ、理解できない言動などに触れると、特に四六時中世話をする側に人は疲れるし、うまくいかないことや、かつてうまくできていたことができなくなっている病者に対して、イライラしてしまうことがあるのはやむをえないと思います。投げ出さず、ご家族の世話をしていらっしゃること、立派だと思います。
病気に成っている人にとっては、世話をしてくれる人が頼りだと思います。大変かとは思いますが、強い絆があるからこそ、世話をし、世話をされるという関係が成り立つのだと思います。どうか疲れすぎないよう、香菜子さん自身も時々休みつつ、楽しみも持ちつつ、ゆっくりと頑張って下さい。
秋さん
コメントありがとうございました。
奥様は秋さんとご結婚なされて、ある意味安心して発病されたのかもしれない、などと勝手に考えてしまいました。信頼している秋さんがそばにいればこそ、かもしれません。お仕事もあり、大変かとは思いますが、どうか頑張って奥様を支えてあげてください。
kiraraさん
いつもありがとうございます。
私もよく妻には泣かされています(笑)
大変なことも多いですが、その分嬉しいことも沢山あります。
とても素敵なケーキですね
schizoさんの愛がこもっているのがみてとれるような、素敵なケーキです
私も奥様と同じようなところがあります
感情の爆発が収まったあと、ハッと我に返った時に夫にすがりつくようにくっついてしまうのです(私の場合は見捨てられ不安が根底に有ると思いますが・・・)
さっきまで色んなものを攻撃してた人間が正気に戻る様は、夫には理解できず長い間困惑していたそうです
これも病状なんだなとなんとなく理解できたのはここ1年くらいだと言っておりました
その1年が、なかなか合う薬に当たらず変薬の連続で、私が私として存在できなくなっている1年でした
時々正気に戻って家事をこなしたりインターネットや趣味をこなしていたそうです
私自身その時の記憶がほとんどありません 夫は思い出さないほうが幸せだとほとんど語ろうとしません
schizoさんや夫のような、献身的に寄り添ってくれる家族に頭が下がります
素敵な連休を過ごされてますね(●´ω`●)
目的の達成は、意味のある1歩に大きく近づく事を祈っています!
お誕生日ケーキ素敵ですね(((o(*゚▽゚*)o)))
失敗作に見えないほどかわいいと思いました。
素敵な旦那様をお持ちで羨ましいです。
わたしは、親戚も統合失調症にかかってしまって、てんやわんや過ごしていました。
誰でもかかる病気とはいえ、身近な人がかかると不安が募りますね。自分自身も早く寛解出来るよう頑張ろうと思います。
前向きに頑張っていきましょうね。
梅子さん
コメントありがとうございました。
やはり梅子さんの旦那様も・・・。本当に近くでいつも妻のことを見ていても、まだまだ病気のことはわからないことばかりです。でも少しずつ分かってくるものですね。梅子さんの旦那様にも同様な立場の者として、素晴らしいなと思うと同時に、応援したい気持ちです。梅子さんは素晴らしい旦那様をお持ちですね。正気を失う中で、変薬を重ねられ大変でしたね。でも時々正気を取り戻した時に趣味などをできていたというのはいいことですね。コメントを読んで、私も頑張らなくてはと思いました。精神の病にかかってもあきらめず、またそれを支える家族がこの世界のどこかにいるんだということが、ものすごく大きな励みになります。
さちこさん
コメントありがとうございます。
ケーキは、次回作はもっとマシな見栄えのものを作ろうと今から静かな闘志を燃やしています。ところでご親戚の方も統合失調症にですか。それは大変ですね>< この病気は100人に一人はかかると言われてはいるものの、身近で発症があると本当に驚くし、大変ですよね。でもさちこさんも、ご親戚も、少しずつでもよくなるといいですね。がんばりましょう!