医師の交代

4月は変化の季節。妻にとっても、環境が新しく変わることになった。

通院や入院している人にとっては、医師が交代するというのはすごく大きな事件だと思う。
妻も4月から主治医が変わるということを再三伝えていたので、幾分緊張していたかもしれない。いつもの通院時よりも早く目が覚めたようで、私がまだ寝ている時から起きてゴソゴソしていた。

新しい医師は男性ということで、かつていろんな女性に虐められた妻にとっては性別的には安心だった。しかし、果たしてこれまで通りの支持的精神療法を継続してくれるのか、強く服薬を勧めてきたりはしないか、話は聞いてくれるのか、会って話してみるまでは私も不安だった。

無事病院に到着。妻は待合室のテレビに映っていたテレビショッピングを観ながら大爆笑していて、私もなんだか落ち着かない感じでソワソワしていたが、いざ名前を呼ばれて医師に会って、話して、安心した。

人当たりの良い、感じの良い人で、支持的精神療法に関しても海外の例も交えてお話しいただけるなど、非常に安心できる方だった。また、緑茶が精神の安定に良いなどのアドバイスも頂いた。妻にも積極的に問いかけたりしてくださり、やはり都会の3分診療とは全く違う、コミュニケーションを大事にする姿勢に好感を持った。

前の医師からの引き継ぎはなされているとは思うが、一通り経緯、症状、現在までの治療などについてお話しした。

今日は聞きそびれたが、また参考になる書籍など教えてもらおうと思う。
全く、今通院している病院は奇跡のようだ。都会にいた頃に感じていた医師のあの強権的な対応は一体何だったのか。

妻は安心したのか、診察の途中からまた妄想状態に突入し、全く話の通じない状態になった。いつものように帰りにショッピングセンターに寄り、マックのハッピーセットを食べて、バスで帰ろうかと思ったが、妻のあまりの大声での独り言にタクシーでの帰宅に切り替えて、一目散に家に帰った。

今年度分の市のタクシー券をまだもらっていなかったので、2千円分程度のタクシー代は正直きついが、仕方がない。バスで一般の多くの方々に妻の調子の悪い症状をお見せすることは、一般の方々にとっても妻にとっても良くないような気がするので。

ともかく、4月の大変化を無事乗り越えることができ、一安心だ。

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コメント

  1. k より:

    <●> <●>
    Dass Gott Sie ansieht

  2. N より:

    初めまして、Nと申します。
    突然のコメントで失礼致します。
    新しいドクターが安心できる方であったとのこと、
    拝読した私まで「よかった」と溜息を吐いてしまいました。
    schizo様というご主人がいらっしゃるということが、
    奥様にとって何よりの支え、回復の材料なのではないかと思います。
    大変なことが多いと思いますが、
    どうかご自身をご大切になさって下さいませ。

  3. schizo より:

    k さん
    コメントありがとうございました。
    “Dass Gott Sie ansieht”は、神様はあなたを見ています、というような意味でしょうか?そうなのかもしれませんね。妻が強く守られているような気がしています。

  4. schizo より:

    N さん
    コメントありがとうございます。
    読んで、一緒になって安堵してくださるなんて嬉しいですね。
    私は、自分で言うのもなんですが、全く心もとない、介護も下手でオロオロしまくりの、あまり出来のよくない夫ですが、最終的に妻にとって、私がいたことが良かった、ということになるよう、これからも頑張ります。

  5. R.R. より:

    はじめましてR.R.と申します
    ブログ拝見しました。奥様への愛がつまった文書で
    拝見していて涙があふれてきました。わたくしも
    妻が同じ病気ですが、時々めげそうになったり、
    イライラしてしまいます。なかなか病状の改善は
    望めない病気とわかってはいますが、あの頃の
    妻に戻ってくれないかな―とため息をついてしま
    います。パワーをもらいに時々拝見させていただ
    きます。ありがとうございました!

  6. より:

    以前から読ませて頂いています。
    ご主人の奥様への愛と、読者の皆様のコメントを読んで涙が出てきます。
    私も精神病の家族がおります。発病からもう7年になりますが、日々私自身も葛藤を繰り返し、何度めげて来たか分かりません。そんな時こちらのブログを読み勇気を貰っていました。最近は更新が増えて嬉しかったです。天と夫の記事もほっこりしました。また勇気をもらいに来ます。ありがとうございます。お互い頑張りましょう!

  7. schizo より:

    R.R. さん
    初めまして。コメントありがとうございました。
    精神に関係している病気は、外見上明らかにそれとわかる場合の方が少ないですよね。なのでその分辛さも増えるというか、やるせない気持ちになったりすると思います。病気になっている人の姿形が、発病前と大して変わらないのに、精神の方は変わり果ててしまっているので、不憫さ倍増というか。
    私はブログに投稿している時には、辛さもあまり分からないのですが、後で読み返すと書いた時の妻の状態や、その時の状況、気持ちを思い出したりして、辛くなってしまうことも多いです。
    ですが、辛いことも多い分、楽しいこと、うれしいことも多く感じることができているような気がします。これも妻のおかげなんですよね。
    私もイライラしてしまったり、もちろんため息をついてしまうこともありますが、少しでもまた元気だった頃の妻に近づいてくれることを楽しみに、これからも頑張ります。
    R.R. さんも頑張ってくださいね。

  8. schizo より:

    愛さん
    コメントありがとうございました。
    リンクから愛さんのブログに行ってみました。
    ・・・、なんと凄まじい。びっくりしました。あまりに辛すぎてまだ数ページしか読めていませんが、あまり全てを抱えて愛さんまで倒れないよう、表現が難しいですが、適度に、息抜きもしながら頑張ってください。
    左手でお皿を回しながら、右手はジャグリング、頭の上に大きな壺を載せつつバランスを取り、足でサッカーボールをリフティングしながらまっすぐ片足で歩くことはそうそうできることではないと思いますので。ちなみに私は、右手のジャグリングと頭の上の壺程度かと思います。
    お互い頑張りましょう!!

  9. おの より:

    おのと申します。初めての書き込みです。
    先日なんとなく「Beatiful Mind」という映画を観て、統合失調症という病気を知りネットで調べている内にこのブログにたどり着き、記事を全て拝見させて頂きました。
    私はこれまでたまに電車内や街中で見かける「そこにいない誰かに話しかけている人」、「大声で何か叫んでいる人」について「うわ~…」以上の感想は持ち得ませんでした。勿論病気、障害のケースは様々だと思います。しかしそのような端から見ておかしな行動をとることにはそれなりの理由があるということが調べていく内に少し理解できたような気がします。
    統合失調症の症状である「妄想と現実の区別がつかなくなる」(私なりの認識)というのは実際どのような世界なのか想像することしかできませんが、もし自分に話しかける声が四六時中聞こえて来たならば私はそれに応えるであろうし、もし自分にとって怖いものが四六時中見えるのならば絶叫するだろうな思います。それが何十時間も続くのであればその恐怖は想像を絶します。
    ですがブログの奥さんがねこのぬいぐるみを動かしながら喜んでいる部分を読み、幸せな時間もまた確かに存在するのだろうなと感じました。
    またブログを読んで仕事仕事仕事の今の自分の生活と人間本来の幸せについて考える機会になりました。
    私の身の回りに精神的な病気にかかっている人が特にいるわけではないし、統合失調症の知識もネットで聞きかじった程度の実感を伴わない浅い感想文になってしまったと思います。
    それでもschizoさんと奥さんの幸せな時間が少しでも増えるよう心より願っています。
    とりとめのない長文になってしまったため返信は不要です。

  10. schizo より:

    おの さん
    コメントありがとうございました。
    返信は不要と言われましたが、このブログを読んでいただき、考え、感想をくださったことに感謝したく、書いております。
    私も妻と縁あって結婚するまでは、この病気の人を見ても自分のこととして捉えることはもちろんなく、遠目から「うわー」とか「何があったらああなってしまうんだろう・・・」ぐらいにしか考えていませんでした。肉体的な疾患を持つ人は多いし、明らかにそれとわかるのですが、見た目(肉体的)には健康そうでも、精神に疾患を持つ人も(肉体と精神が繋がっている以上)当然いるわけで、そういう人たちがすぐそばにいた場合、目を背けるのではなく、同じ人間または隣人など、近しい人として捉え、いたわりながら過ごせる社会になればいいな、と思いつつ過ごしております。ありがとうございました。