発病後の引越し以来、妻の調子が悪い時の特徴といえば、秒速2〜3回で両耳のあたりをかきあげながら激しく叫ぶというものだったが、つい最近になってこの状態に変化が現れた。
どうなったかというと、壁やガラスが震えんばかりの音量で叫ぶのはそのままに、両耳のあたりを猛スピードで書き上げるのをやめたのだ。
実は、やめる直前に、妻は一度両耳あたりからだらだらと激しく出血し、急性的症状が治まった時には両耳から流れ出た血液の痕がべっとりと頬にこびりついた状態で、小さな声で「痛い、痛い」と言っていたのだ。
そうなるまで、私もほったらかしていたわけではなく、激しく書き上げるのを見ては「やめろ。怪我するから。髪も千切れるし怪我する。耳が腫れ上がって柔道選手のような耳になるぞ」などと言いながら、最もひどい時にはそれこそ妻の両腕両足を私の四肢をフルに使って押さえつけたりしていた。しかし、より一層音量を上げながら私の体を振りほどいてまでも叫び続ける妻を見るにつけ、押さえつけても無駄だと悟り、やむなくあきらめて、耳をふさぎながらやり過ごす、というのが常になっていた。
先日の大量出血事件は、その結果起こったのだ。妻はそれまでは、調子が良くなってからも、特段痛がりもせず、けろっとして折り紙やノートつけなどをしていたが、このたびばかりは相当酷く怪我してしまったようで、見ると耳の皮が擦り切れて、見るも無惨なズル剥け状態になっていた。妻の耳は、細くて綺麗な耳だ。それがめちゃくちゃになると思うと、心が痛み、耐えられずに、あれこれ言いながら阻止しようとしてきたが、最終的には妻は自分自身の意志でこすりあげをやめた。やはり、自分で経験し痛いめにでも会わなければダメなのか。
とりあえず、消毒液を塗ってやり、触ったらダメだよ、と言っておいた。ともかく、あのひどいゴシゴシがなくなって一安心だ。依然として大音量で今ここにいない人と喧嘩するというのには変化がないものの、だいぶマシだと思う。
実はもう一つ、大きな変化に気づいた。
私たちの結婚式の時に作ったブーケをドライフラワーの押し花にして額縁に入れたものがあるのだが、それを妻が壁に飾ったのだ。この額縁には、私と妻の名前がついたプレートが付いていて、明らかに私と妻が結婚したことが一目でわかるようになっている。精神的に子供返りしている妻は、自分が結婚したということを認めることができなかったか、否定したかったのかわからないが、なぜか壁からこの額縁を外し、押入れの奥にしまっていたのだ。
いつの間にか壁からこの額縁がなくなっていた時には、私も相当なショックを受けたものだが、その時は「妻の精神的な状態は、今このような段階なんだな」などと理解できないものも飲み込む感じでいた。それだけに、先日壁に額縁が戻っているのを見つけた時には、静かな喜びを感じることができた。
敢えて妻には理由も聞いていないし、話題にも出していないが、こうして、ゆっくりでも、一つ一つ、妻の記憶が戻りながら、前に進んでいけることが、何よりも有難いことだと感じる。
コメント
額縁のブーケ、元の場所に戻れて良かったです。
奥さまの心の時間に合わせて、もう一度 結婚式の時のように、
お二人でケーキカットしたり…なんて どうでしょうか。
まだ早いかな…?
私事ですが、先月の東京マラソンで婚約者が走り、完走後に改めてプロポーズを受け結婚しました。
このブログをバイブルとして、一生を添い遂げるパートナーを大切に、日々の小さな幸せを取りこぼさないよう生きていきたいと思います。
kirara さん
ドラマティックなプロポーズ、素晴らしいですね。
ご結婚、心よりお祝い申し上げます。これから末長く、お幸せに人生を歩んでいってください。きっと愛情溢れる家庭を作っていかれることと思っています。
バイブルだなんて。こんなあっちこっちぶつかりながらのドタバタブログでよろしければ、また遊びに来てください。
ケーキカットですか。いいアイデアですね。実は、私は妻が結婚式をしたことを忘れ、もう一度結婚式がしたい、と言い出すのではないかと、少し心配しています。でも、またそんな輝かしい瞬間が来ると想像すると、なんだか希望が湧いてきますね。
紹介
日蓮正宗
言霊百神
ゴシゴシ治って良かったですね。
血が流れるほどとは、
見てる方も辛かったと思います。
早く傷が治りますように、、。
私も頭をかいて出来たかさぶたを
剥がすという癖があるので、
治さなきゃなぁと思いました。
ネットで知ったのですが、
これは自傷行為に当たるらしく
無意識のうちにこんなことをしてと
反省しております。
奥様、幻覚症状をお持ちなのですね。
私も陽性症状の頃はそんなことがありました。
入院してから気付くことが出来たので、
それまでは幻覚や幻聴も本当の事だと思っていて
気付いてからもとても辛かったです。
額縁のお話はまたまたほっこりさせて
頂きました(^^)
2人で結婚式などの思い出話が
出来るようになるといいですね。
お2人の幸せを願っています。
さちこさん
コメントありがとうございます。
妻もニキビでもかさぶたでもなんでもすぐ剥がしてしまいます、
「ほっといたほうが綺麗に治るよ」と言っても、ついつい剥がしてしまうようです。また、ゴシゴシやって怪我をするのも、医師から自傷行為と言われています。妻もそのうち、さちこさんのように、自傷行為や、幻覚、幻聴の事に気付くようになってくれればいいなと願っております。
まだまだ先は長そうですが、妻ともども頑張ります。
私も統合失調症と診断され、幻聴が酷かった時には、幻聴の命令に従い脱いだりしてました
精神科で鍵つきの部屋で入院もしていました
あまりの幻聴の煩さから発狂しながら、包丁を手首に当てた事もありました
しかしある時から、これは創価学会による電磁波攻撃だと気付きました
幻聴は音声送信と呼ばれるものです
調べたら沢山被害者ブログが出てきますので見てみてください
そこで幻聴の対処法なんですが、ラジオで私は気を紛らせていますので試されたらどうでしょうか
奥様が酷くてとても辛そうなので、なんとかしてあげたいです
私は暇だと、貧乏ゆすりが酷いです
布団の中で貧乏ゆすりしながら、布団を蹴飛ばし頭を掻きたくなる事もあります
とにかく暇をなくすように忙しくしています
幻聴が始まってからは、テレビにも集中出来ませんので
幻聴は地獄です
早く奥様が治るよう心から願っています
ノンタさん
コメントありがとうございます。
電磁波攻撃ですか。。。妻はそのスジとも全く縁がなく、何とも言えないのですが。どうなのでしょうね。
色々なことをして、気を紛らわせたり、次々とやりたいことを見つけたり、楽しみを見出していくというのは大事なことだと思います。
はじめまして
ダイシといいます。
僕は統合失調症です。今は障がい者枠で短時間働いてますがまだ22才です。まだ22才ですが不眠症がひどく社会の組織で働くことが難しくなってます。なので自宅で収入を発生させたいと思っていろいろと勉強してますがまだ具現化できてません。もしよかったらアドバイスが欲しいです。突然で申し訳ないですがお願いします。
ダイシさん
初めまして。コメントありがとうございました。
今現在も働いておられ、自宅での収入の道を探るなど、前向きで素晴らしいと思います。病気の影響で、生活リズムの維持ができなくなると、なかなか社会の中で普通に働くのは難しいところがありますよね。予定に穴を開けてしまったり、納期に間に合わなかったりなども出るかもしれませんね。
自宅での収入ということになると、私もまだまだですので、そのおつもりで参考程度にしていただければと思うのですが、いろんな分野が現在は選択できますよね。
その中でも、他者からの依頼案件で期限内に納品する系のものと、全く自分のペースでできるものとがあると思います。
前者は、例えば文書作成や文字入力、データ入力など。
後者は、好きな分野でのモノつくり(文書、絵、音楽、プログラム他)。その他、写真を撮って登録し、他人に使っていただくモノや、投資、アフィリエイトなどもありますね。
依頼案件の処理であれば、確実に入金はあると思います。もし、他者との関連で納期を守るのが難しそうであれば、自分のペースで進められるものの中から、ご自身の好みに合ったものを選んでやってみるというのも一つの手かもしれません。
まだお若いですので、好きな分野で、無理のないペースで、追求できるものをお探しになられたら良いと思います。
頑張ってください。
ノンタよ
おまえそれキチガイ行為やぞ