これが現在、ものすごく課題だなと自分自身感じている。
調子が良い時と悪い時の性格は全く違うようで、例えるならば、良い時は”綺麗でなめらかな球体”で、ほんわり暖かい感じなのだが、悪い時にはまるで”刃物がたくさん突き出した硬いトゲトゲボール”のような感じだ。金属質というかガラス質というか。とにかく冷たい。
妻が調子が良い状態から悪い状態になる過渡期というか、調子が変わる瞬間というのは感じ取ることができるのだが、もうその瞬間から家の中の空気が一変し、急にギスギス、トゲトゲで、私も刃物で斬られまくっているような状態だ。もちろん妻自身も、その瞬間からまるで地獄の住人になったような苦しみ方だ。
こんな風なので、この調子が変わった瞬間に、失望というか、落胆をもちろん感じてしまうのだが、この悪い状態が数十時間という長時間にわたって続くことで、疲労も手伝って私自身精神的に参ってくるのだ。
そうなると、自然とこちらの語気や行動も荒く、投げやりになったりしてしまうことが多い。失望と落胆のあまりご飯も作れなかったりする。もちろん作って出したってどうせ全く手をつけないか、大半を残すと思ってしまっているというのもあるのだが。
このような時に、まるで仏様のように、いつもニコニコ、何があっても朗らかでいるのがいいのか、それともある程度妻の調子に応じて、こちらも地獄の管理人のようになって、一緒になって同じような調子で荒くれ者になるのがいいのか。
全くそのあたりがわからない。
一つ分かっていることは、私が数十時間耐えに耐えて、こちらまで噴火しないようになんとかやり過ごしても、反対に私が妻に合わせて(半ば自然に)地獄の管理人のごとく荒くれ者になっても、調子が良くなった後の妻はケロッとした感じで私に対して暖かいなめらかな球体になって接してくる、ということだ。
私は単純なのか、妻の調子が悪くなると体調が途端に悪くなる。風邪をひいたり、ひどい頭痛に悩んだり。反対に妻の調子が良くなると、途端に気分が良くなり、朗らかになって、体調まで良くなってくる。
私の都合の良いように考えることが許されるとすれば、このように妻の調子に合わせて、同じように苦しんだり楽しんだりしていることが、妻の病気の癒しに少しでもなっていればと思う。
私はまだまだ未熟者なのか、妻がどんな状態であれ、超然とした仏様のように振る舞うことはなかなか難しい。せめて地獄的な時間中にでも、あまり破滅的にならないように気をつけたい。
つい昨日まで続いていた地獄タイムでは、私は絶望のあまり、昼ごはんと夜ご飯が作れなかったのだが、そうこうしているうち、真夜中過ぎに妻がケロッと調子が良くなって、そこら中の食べ物を片っ端から欲しがったのにはびっくりした。
私はその時、不思議とまだあまり食欲はなかったのだが、妻はいつの間にか冷蔵庫の上に置いてあったバナナを食べ、二本目に手をつけようとしていて、私のランチョンマットにもバナナが二本置いてあった。さらに朝ごはん用のパンを食べ、チョコを食べ、冷蔵庫の中の卵を指差すのだ。ポッキーも持ってきて食べていた。ごそごそとそこら中の食べ物を全部持ってきそうな勢い。朝方4時だ。
「もう朝だよ。明日の朝ごはんでいっぱい出してあげるから」と言って、なんとか二人で就寝することができた。
今回の調子が悪かった時間中に、私が絶望のあまり「もう何も食べなくていいよ。長生きしたってしょうがない」などと言ったのが逆効果だったか?今にして思えば、あまりの絶望のせいで出た言葉で、突き詰めれば本心ではないのだが、妻はもう何も食べ物が出てこないのかと思ってしまったのだろうか。そうだとしたらかわいそうなことをしてしまった。
そんなわけで、今現状続いている穏やかな時間の間に、美味しいものをたくさん出してあげようと思っている。
コメント
地獄の管理人!
笑っちゃいけないところですが、笑ってしまいました。
ごめんなさい。
どう過ごしていたらいいのでしょうね、本当に。
イヤホンで音楽聴きながら、趣味に没頭するとか…。
でも、同じように苦しんだり、楽しんだりしてること、
私なら、嬉しいと思いました。
schizoさんのお身体が心配ですが…。
私事ですが、今月末、結婚することになりました。
お二人のような夫婦を目指して幸せになろうと思います。
こんにちは。地獄の管理人、schizoです。
kiraraさん、ご結婚、おめでとうございます!
kiraraさんは、きっと幸せな、素敵な夫婦におなりになると思います。
ブログを見ていてくださった方の幸せなニュースを聞くと、こちらまで嬉しくなります。
私も日々悩んだりしながら過ごしていますが、これからも明るい未来を信じて頑張ります。
P.S. たまに天国の管理人のバイトもしていますのでお忘れなく。
はじめまして、いつもブログを読んでいました。
とてもつらいことも多い生活なのでしょうが、優しく前向きに接していてすごいなぁと思いました。
私は、統合失調症で、悪かった時は自分も主人にたくさん迷惑を掛けたのでなんとなく自分と重ねてブログを読むことが多いです。
私は薬も飲みましたが、主人に精神分析的な療法の育て直し?的な接し方をしてもらってそれが回復にとても役に立ったと思っています。(奥様のようにぬりえとかしていた時期もありました。)
今も時々幻聴があったり完全に治った訳ではないですが、時々調子の良い日に家事をしたりこうやって書き込んだりできるようになりました。
奥様と私は同じではないのでわかりませんが、ぜひ諦めずに奥様に接し続けてほしいなぁと思って書き込みました。
楽しい時、苦しい時気持を共有してもらえるというのは嬉しかったです。
でも、妄想とかでつらい時に本当に共有できることはなかなかなくて、かえって爆発してしまったりもあったので、私の場合は最悪の時は放置はしてないよという感じで関わってもらって、調子が少し浮上してきたときに「おかえり」と温かく接してくれるのが一番うれしかったです。戻る場所がいつも温かいのは大きな事だったと思います。
自分のことばかりですみません。
奥様の調子の良い日が少しずつでも多くなるといいですね。
ぽちさん
コメントありがとうございました。
統合失調症から回復されてきているのですね。すごいです。
旦那さんの「精神分析的な療法の育て直し」というのは、やはり『分裂病の少女の手記・・・』にあるような精神の再構築みたいなことなのでしょうか。すごいですね。私も医師の勧めであの本を読みながら、精神の再構築のためにと思ってやっていますが、それならやっぱり地獄の管理人のようにこわい態度をとったらダメなのでしょうね><
調子の良い日にはコメントまでできるとは、本当にすごいです。私の妻はまだ、ぺたっと床に座って、一生懸命雑誌やカタログを眺める程度です。たまにその中に懸賞などを見つけては、ハガキを書くくらいはやっていますが。ハガキに書く感想などは「面白い」などのたったの1行です。
統合失調症で妄想または幻覚幻聴を体験している最中の人の思いを、完全に共有するというのはやはり不可能ですので、私もある程度のラインを超えたら、もう別室でひたすら耐えるか、他の用事をするようにしています。
ぽちさんのように、この病気から回復されている方からのコメントは、それだけで私も希望を持つことができます。ありがとうございました。頑張ります。
統合失調症の母親の介護をしています。被害妄想が強く、罵倒されたり、お金を取られたと騒がれたり、警察沙汰を起こされたりすることもあります。家族なので見捨てるわけにはいきませんが、自分まで精神病や人格障害になりそうなので、状況が近い方たちの経験談を参考にさせて頂きながら日々過ごしています。私は最近森田先生の森田療法というものを知り、実践していますが、なかなか効果を実感できません。統合失調症というのは本人もつらいのでしょうが、支える家族が一番つらい気がします。香菜子
香菜子さん
コメントありがとうございました。
統合失調症のお母様の介護ですね。大変お辛いことも多々あろうかと思います。よく頑張っておいでですね。
私は以前、祖母がいる親戚の家で過ごしていたことがあるのですが、祖母の息子(私の叔父)ではなく、叔父の奥さんが大変苦労していました。
祖母が「嫁がお金を盗んだ」だの、「嫁が部屋に虫を入れてくる」だの。とにかくお嫁さんをいびりたおし、叔父の奥さんがたまりかねて私に窮状を訴えてくる有様。本当に精神的にも追い詰められ、お嫁さんの方が精神のバランスを崩しかかっていて、終には離婚してしまいました。
私にはあの時の祖母の状態と、今の妻の症状がダブって見えます。
妻の場合、攻撃の対象は祖母のように”身近にいる誰か”ではなく、”妄想の中の相手”、”幻覚で見える相手”、”過去にいじめてきた知り合い”なのですが、ほぼ言っていることは似ていて、その攻撃対象に何か意地悪をされたので反撃している、というものです。
ただ、香菜子さんの場合は、介護している香菜子さんご自身が罵倒されたり、攻撃対象にされることもあるご様子で、それはそれはお辛いことだと思います。
精神療法の本によると、統合失調症からの回復過程は、精神の再構築だということですので、病者の介護中に、できるだけ良い体験、思い出を作ってあげるのが大事なのかなと思っているのですが、攻撃対象にされながら、仏のように最高の接し方をするのは困難なことかと思います。
周囲からの支援が欲しいですね。切実です。
お母様のお気に入りのどなたかが、定期的に介護を手伝ってくれるとか、何か、お母様が楽しく、嬉しくなるような出来事を増やせるよう、できるといいかもしれませんが。。。
おっしゃる通り、介護をする家族の負担は相当なものですので、香菜子さんご自身も、まいってしまわないよう、息抜きも、楽しみも見つけられることを心から願っています。
私も人のことはとやかく言えないほどグダグダですが、香菜子さんも(たまには力を抜きつつ)頑張ってください!
はじめて来ました。
同じような立場です。
絶望と希望の繰り返し。
みなさん苦労されているんですね。
ちょっとだけ勇気が持てました。
私も統合失調症になって10年目
今だに男の子の声が聞こえます。
最初の内はその子以外にも酷い事を言ってくる30代と40代の男性が2名いましたが
その子以外の人とは話したくないと言ったら男の子だけになりました。
脳内に話しかけてくる3人ともに名前をつけていて
残った男の子は養子にしてあげると言ってからは自分の子供扱いにして
毎日愚痴を言ったり笑い話したり
時にはケンカしたり今ではいなくなったら寂しいとさえ思っています。
こんな私ですが新しい職場で親友5入位出来た事もあり職場もそれなりに楽しい
脳内に息子も出来て
前より楽しい日々かもです。
(親友達には病気の事は話していませんがバレて無いです。)
良くなったきっかけは
私の脳内の声は統合失調症って病気なんだ
と分かってから良くなっていきました。
それまでは盗聴・盗撮とか疑って精神的ダメージが凄まじかったです。
母も変な私に対して文句も言わず働いてなかった3年間も今もいつも明るく優しく接してくれていてそれが一番の薬です。
この病気のお陰で精神病院や薬では
更に悪化するだけだと身にしみて体験しました。
奥様にどんな時も優しくは正解だと思います。