先日通院した帰りに、妻が大爆発してしまった。
ここ最近、妻は寝た次の日の朝は調子がよく、午後から夜に掛けてだんだん調子が崩れて叫び始め、まあまあの調子だと夜中には睡眠し、調子が悪いと24時間から36時間寝ずに叫ぶ、という状態を繰り返していた。
ちょうど通院の日は調子が大きく崩れるタイミングと重なってしまい、医師に悪態をつき、帰りのバス停では既に叫び始め、いつも行くマックに着いた頃にはもう全く話が通じないような有様になっていた。そして、席に座ってナゲットのハッピーセットとチキンフィレサンドと食べ始めたとたん、大爆発を起こしたのだ。
「しねー!」「絶対許さない!!」「ブスがー!!」「妊娠が体に合わなく死ねー!!」
これを、ボリューム制限なしの大音量でやってしまった。
しかも、後ろの席に座っていた女性2人組に向かって「ブスがー!!」とか言っている・・・。
ほどなく、その女性客も席を立ち、周りのお客さん全てが出て行ってしまった。その後私はマックのマネージャーらしき人に手招きで呼ばれた。
「あのー、本当に済みませんが、次からテイクアウトにしてください。苦情が出てまして・・・。」
もう、当然だ。お客さんが帰ってしまうほどの騒ぎ。完全に業務妨害になっている・・・。
それで私も丁重にお詫びをしつつ、次からテイクアウトにするということを伝えた。
このマックは、妻が少々叫んでも「いいですよ、いいですよ」とこれまで言ってくれていたお店で、私もそれに甘えて妻の楽しみであるマックに行く際にはよく利用していたのだが、ついに店内利用禁止状態になってしまった。
帰りはもうバスは無理な状態だったので、またしてもタクシーで。
タクシーの中でも妻の大爆発は収まらず、ずっとわめき散らしていた。タクシーの運転手さんも、これまで何度か乗せていただいた方だ。
「すみません、病気なんです。うるさいけど乗せてください」
そう伝えると、「いいですよ。わかってます。どうぞどうぞ。」と言ってくれた。
そして降り際に「実は今日マクドナルドで店内利用禁止になりまして・・・。」と話すと、暖かい調子の声で「がんばってね」と言われた。
あのマクドナルドのマネージャーといい、タクシーの運転手さんといい、こちらがとんでもないのに、かなりあたたかい対応をしてくれて、本当にいい人たちだ。
ただ、妻の調子があの大爆発状態になると、全く社会生活はできないので、決定的に社会から切り離されるというか、どこにも受け入れてもらえない状態にならないように、調子をみながら、私も無理にあちこち連れて行かないようにしなければならないと思った。
他人の温情にいつまでも甘えているわけにはいかないので。
その日の夜は、妻は夜通しわめいていた。で、朝になって私も疲れて寝てしまい、お昼前に起きると妻の調子が幾分ましになっていた。午後、完全に穏やかになったので、「昨日マックで騒いだから、もう店内で食べられないよ」と伝えると、どうやらわかっていたらしい態度だった。それでも、「それを大きな声で言うと○○が盗聴しているのでやめて」みたいな事を言っていたが(○○というのは、彼女の親戚のお姉さんの名前で、妻によるとめちゃくちゃなブスだということだ。本当のところはわからないが・・・。)
ただ、「がんばって病気を治せばまたマックのお店で食べれるよ」と伝えると、「うん」と言っていたので、この一件が妻の「治りたい」という気持ちにいくらか役立てばいいと思う。
コメント
いつも読ませて頂いてます。
私は医療関係者です。また、精神疾患の家族生活した経験があります。ハデな自殺未遂、暴力騒ぎ。なんど警察のお世話になったか…
なので、日々のご苦労はよく解ります。
今回の大爆発は、胸が痛くなりました。
このような生活では、本人も周囲も憔悴しきってしまうでしょう。社会からも隔絶されてしまうおそれもあります。
私も精神科の薬には慎重派です。
私の家族もひどい目にあいました。
しかし奥様の場合は、もう少し落ち着かせてあげても良いのでは?
混乱と興奮の世界に居続けるのは、あまりに気の毒です。
奥様には、力の限り叫ぶ必要がある世界なのです。
入院加療も視野に入れても良いのでは?
家族の関わりが大切ですが、あくまでも素人です。
ご主人様の気持ちひとつです。
本当に奥様にとって何が良いのか?
ご主人様の自己満足になってないか?
今一度、考えて欲しいです。
とも さま
コメントありがとうございました。
この「大爆発」のような投稿を書いたら、頂いたコメントのような感想を持たれる方もいらっしゃるだろうな、と思っていました。
調子を大きく崩したのが29日、そして30日も一日調子が悪かったのですが、31日に持ち直し、以来今日まで穏やかに過ごしています。
調子を持ち直した妻に「入院する?」と聞いてみたところ、何も言わずに自分の肩に手をやり、肩こりをほぐしてほしいような仕草を見せたので、肩もみをしてあげました。その後穏やかに寝入っていました。
入院してしまうとこうはいかないのですよね。今やっているゲームも、ぬりえも、おりがみも、好きにはできなくなります。またたまに調子の良いときにやるお皿洗い、お風呂掃除もできません。
入院病棟に持ち込めるものにも、お風呂の回数、行動面、自由にベッドから離れて歩く時間、おやつなど、様々な制限があります。
はさみや眼鏡、シャープペンシルなどの尖った物は持ち込み不可、お風呂も週に一回、たびたびのベッドへの拘束、おやつも冷蔵庫や棚で看護師さんに管理され、お茶も好きなときに飲めません。
一方、家で今のように療養する場合、持ち物にもお風呂の回数にも行動にもおやつにも、何の制限もありません。
統合失調症患者と言えども、尊厳のある一人の人間で、自由に、自分の意志で行動できるというのは、精神面を保つという意味では、家での療養も捨てがたい良さがあります。
確かに、先日のように暴走してしまった場合、病者本人にとっては必然というか、そうあるべくしてそうなっていて、それを周りの人が止める事はほぼ不可能です。ですので、あまりに暴発し過ぎて、社会から隔絶されてしまわないよう、周りで看ている側が調子を見ながら行動範囲などを調節していく必要があるのかな、と思っています。
奥様の調子が戻られて、良かったです。
私の家族も何度か入院の経験があります。
精神病院の環境の悪さは知ってます。
ただ、うちの場合は安静目的で入院していました。患者本人の希望です。
私達がふつうに送っている日常生活が、患者には負担になっていることもあるのです。
社会から切り離された環境が良い場合もあるようです。
ともあれ、精神病院の環境が、個人の尊厳を大切にした、居心地良い環境になることを願います。
ご主人様も?くれぐれも無理のないよう!
穏やかな日が来ることを祈念します。
ちなみに精神を患っていたのは、元主人です。二人きりの生活。約5年間、毎日が地獄のようでした。
何をしだすか分からない!気が休まった日はなかったです
元主人は、自然に緩解しましたが、あまりに辛い日々を過ごし、お互い疲れはて、離れて暮らすことを決めました。
本人が望んでの入院ならばまだしも、本人が望まない状態での入院はそれ相応の覚悟がいりますよね。
私も、最初は医療保護入院をさせたので、お気持ちはお察しします。
私もまだまだわかっていないことが多いのですが、突発的な事が起こっても焦らずに、それに振り回されないようにすることが大切なのではないかと思っています。
奥様の、治りたいという気持ちが良い方向へ向かって行くといいですね。
Takeman さま
コメントありがとうございます。
「突発的なことが怒っても焦らずに」というのは非常に大事だと私も思います。患者本人がパニックで周りもパニックになってしまうと、安定のしようがないですもんね。これからも頑張ります!