⑱主治医の変更とその後の状態

2014年1月の更新以来、ずいぶん記事更新まで間が空いてしまったにも関わらず、多くの方にこのブログを読んでいただいたことに感謝いたします。(schizo)

(2014年1月以降)

前回の投稿後、2月くらいに主治医が勇退されることになり、新しい病院を紹介され転院するもうまくいかず、また元の主治医だった方が所属されている病院で、引き継ぎの医師をご紹介いただくなど、非常にばたばたしてしまい、また私の個人的忙しさもあり、投稿がずっと滞っていたが、その後また大きな変化があったので記しておきたいと思う。

4月に転院時期を迎えた。それまで慣れ親しんだ主治医から、新しい病院の別の医師の所へ転院するというのは、統合失調症の妻にとってもとても大きな、受け入れがたい変化だったらしく、新しく紹介された病院の受付や、医師に会う前の看護師との面談で妻が声を荒げて大暴れしてしまい、看護師に卓上カレンダーを投げつけるなどして抵抗した。結局妻は新しい医師に会うこともできず、私のみ医師に呼ばれ「このような小さなクリニックでは奥様を診ることはできません」と言われてしまい、再度元の主治医宛に手紙を書いてもらって、戻ることになってしまった。クリニックにいたその他の患者さんもびっくりして怖がってしまったので、仕方がなかった。

元の病院に戻ると、もう元の主治医は勇退が決まっており、新しい医師をご紹介いただくしかなかったが、元の病院で引き続き面倒をみていただける運びになった。

しばらくして、元の病院で紹介いただいた引き継ぎの医師に初めてお会いした。女性の医師だったが、妻はその医師の顔を見るなり、ブスだの、この女が昔いじめてきただの、散々なもの言いだったが、私も「すみません、こういう病気で先生は全然ブスじゃないです」などと女性医師に見放されないよう必死にフォローした。

次の5月の通院時は、妻には出かけること自体を拒否して抵抗したが、6月には通院ができ、それ以降は新しい女性医師に継続して診ていただくことができている。本当に通院する気になってもらうためにいろいろ工夫し、「病院にいったら帰りにマクドナルドにいこう」とか、「帰り道のお店でシールを買ってあげよう」などと、あの手この手で言ってきかせて、やっと軌道に乗ったところだ。

この間に、いろいろな変化があった。

まず、2014年5月に妻が携帯メールをくれるようになり、その他妻の実家の母親に(といっても妻が大好きな弟とペットのネコ宛に送るのだが)もメールをほぼ毎日するようになった。

内容は「おはようございます」とか、「ごはんよ」とか、簡単な一文にネコの絵文字が添えられているのだが、これだけでも大きな進歩だと思う。実は妻が実家の母親の携帯に「○○くん、△△くん、おはようございます」(※「○○くん」はネコの名前)というメールを送った際に、実家の母親からの返信で「○○くんは去年死にましたよ」という知らせがあったのだが、妻は一日後に母親宛に「○○くんは亡くなってないでしょ」「あなた何言ってるの?」などというメールを送り、また次の日から「○○くん、△△くん、おはようございます」というメールを送り続けている。

さすがに彼女の母親も「死にました」とはもう言ってこず、「おはよー」などという返信がきている。多分、普通の人にとってはなんとか受け入れられるペットの死も、妻にとっては到底正面から向き合えないほどのストレスなのだと思う。だから、いつもネコのシールやぬいぐるみを妻に買ってあげる時にも、「これは○○くんに似てるね」などと言いながら、いつまでもうちでは○○くんは生きていることになっている。

その他、妻が再発前に主婦の空いた時間にやっていたレース編みの本を引っ張りだしてきて、ちょこっとずつ再開したり、広告の子供用ぬりえを一生懸命やっているのを発見したので、まさかとは思ったがディズニーぬりえを買ってあげたところ、これを一生懸命丁寧に塗っている。なので色鉛筆を買ってあげた。もう4冊目に入った。幸い近所の100円ショップにディズニーぬりえが置いてあるので助かっている。

それ以外にも、雑誌に載っていたおりがみを見て、指差して見せてくるので、これまたまさかとは思ったが、おりがみ100枚セットみたいなものを買ってあげたところ、こいのぼりやらおひなさまやら、黙々を作っては見せにくる。

メールとは別に、シールを貼ったお手紙をかいてくれるのだが、こちらもこれまで32通になった。

こういう日常生活を、医師にも伝えたところ、作業療法になっているということで、また今の生活自体も、支持的精神療法ということで、認めていただきつつ、助言をいただきながら生活を送っているところだ。

病状のほうはというと、相変わらず良いときと悪いときの差が激しい。良いときには、幼児的ではっきりしゃべりはしないものの、食べたいものや、アクセサリーなどをねだったり、自分で作ったものを見せにきたりする。生活のリズムも夜は寝て、朝早く起きる。

一方、調子の悪いときには、妄想や幻覚が激しく、そこに居もしない誰かと声を張り上げ、怒鳴りまくりながら、頭の横を耳から血を流すほどこすり上げながら24時間〜36時間ほど過ごす。そのため、日常の生活のリズムも崩れてしまう。

このような感じだが、国の福祉や、病院の方々、ご近所、肉親など、多くの人に支えられてなんとかやっている。

スポンサーリンク
SPL_Simplicity_336280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
SPL_Simplicity_336280