昨日、事情によりクリスマスイベントをし忘れたので、今日は朝からケーキを買いに行く気満々だったのだが、午前中に実家から母親が来た。お正月グッズをいろいろ持ってきてくれたのだ。実家から県営住宅に引っ越して以来、母は頻繁に訪ねてきてくれる。そしてさまざまな手作りお惣菜やお米、野菜などを持ってきてくれるのだ。私もなにぶん男手一つみたいな状態なので、そうそう美味しい手料理を出せるわけでもないから、とてもありがたい。
母を近くまで見送ろうと出たら、ついつい話し込んでしまい、実家との中間地点くらいまで行ってしまい、結局実家まで1時間半程度歩いて帰ってしまった。母が家で何か食べていけというのだ。実家は半年ぶりぐらいだったが、兄も一応元気で母と3人でご飯を食べた。妻を留守番状態にしているので、あまり長居はできなかかったが、楽しかった。帰りは兄にクルマで送ってもらった。
家に着くと、妻は大声でなにやら喚いていた。おなかもすいていたのだろう。すぐにご飯を出したらパクパク食べた。そしておとなしくなった。日曜の夜から続く××〜×状態はまだ続いているが、今日は基本×くらいだったので、すぐにおとなしくなったのだろう。
その後私は今度はケーキとシャンパンを買いに出かけた。案の定、売れ残りのケーキがあったので、それとシャンパン、そして少しのおかずを買ってすぐに帰った。
妻は×状態で妄想をブツブツ喋っていたが、私が帰って呼ぶとベッドから起きてきた。そして買い物袋の中をいろいろ見ていた。そしてケーキを見つけてじっと見ている。私がシャンパンを渡すと、シャンパンを持ってテーブルの椅子にいつものように止まり木座りをしてスタンバイしている。私は急いでケーキを切って、持っていった。ホークを渡すと、まだシャンパンも注いでないのにケーキをむしゃむしゃ食べ始めた。元気だった頃なら、乾杯してから食べるという感じだったが、このあたりも変わってしまったところだ。でも楽しそうに食べていたので、とても嬉しかった。
妻がケーキを食べ終わった後、注いだシャンパンを差し出すと、妻もシャンパンを差し出してきた。チン、と音がして、ちゃんと乾杯できた。不思議だ。妻は妄想の中にいて、ブツブツいいながらケーキを食べ、シャンパンを飲む。そして笑っている。×状態ぐらいならば、妄想独り言をしながら、乾杯できるのだ。もちろん条件反射かもしれない。でも、乾杯くらいならできるのだ。
妻の口の周りにケーキが付いている。あまりきれいには食べられないのだ。それで、ティッシュで口を拭いてあげると、機嫌がよさそうにしていた。私は妻が元気だった頃を思い出して、すこし今の状態がかわいそうすぎて、涙が出てきたが、鼻をかんだふりをしてごまかした。
買ってきたシャンパンは、実はスパークリングワインだった。アルコール8%だ。効く。頭がふらふらしてきた。
妻は隣の部屋で一人で楽しそうに声をあげて笑っている。
コメント
初めまして。いろいろ検索していてこちらにたどり着きました。こちらのブログの最初と思われるところからこの回まで読ませてもらいました。大変なご苦労の連続で、読んでいてこちらも涙がでました。書かれているように、奥様が元気だった頃を思い出すと本当に泣けてきますね。
けんぼーさん
初めまして。このブログを見つけ、コメントまで頂きましてありがとうございます。最初から読んでくださったとのこと。思い起こせば本当に苦労の連続なのですが、縦糸と横糸のように苦と楽が互い違いにここまでの道のりを織りなしてきたことを思うと、一つ一つが貴重な思い出なのだなと改めて思います。妻は確かにあの頃のままではありませんが、せめて妻の記憶の中に、キラキラと輝くような思い出をたくさんこれからもたくさん作っていってあげたいと思っています。