⑩引越し先での新しい病院

(2011年5月)

実家に引っ越した、とは言っても、とりあえず一部屋使わせてもらって、そこにこれまで使っていたすべての荷物を押し込んだ、というほうが表現として正しい。

田舎なので一部屋10畳位で広かったが、そこにベッド、テーブル、ソファ、妻のピアノ、それからダンボール40個を積み上げた。床が抜けたら困るので、荷物が届く前に、床下の補強もした。スペースが足りず、玄関にも机などがあふれていたが、とりあえず寝るスペースは確保した。

妻の病状を見てもらうため、すぐに地元の病院を探し始めた。これには兄が伝手を持っていて、施設を紹介してもらい、またそこの紹介で良い先生を教えてもらった。

同時に市役所にも行って、転入手続きをし、障害基礎年金の移動手続き、私の年金の手続き、福祉課で病院リストをもらい、薬局リストや障害特別手当の移動登録、手帳の移動登録、等々も済ませた。福祉課では、またいろいろと教えてもらった。この市独自のサービスもあるようだった。

早速病院に予約をいれ、紹介してもらった病院に医師を訪ねた。
よく話を聞いて下さる医師で、これまでの経緯を全部話し、病状、病歴、背景情報、そしてこれまでの薬の副作用など、すべて話した。最初の日は小一時間ほど話を聞いてもらったかもしれない。

それで、今後の方針としては、

・月に一度程度その医師に診てもらう
・とりあえず持っている薬を数えて報告した上で、一応保持はしておき、薬なしの状態で様子を見る
・急性症状が出たら向精神薬を服用する

などということになった。なので、薬は帰るときも出ず、そのまま帰った。

一安心だった。これまでも妻の薬の副作用による激しい癲癇以降、クリニックでもらう癲癇薬すら飲んではいなかったものの、やはり医療機関の医師に診てもらい、アドバイスをいただきつつ生活するというのは安心感があるし、いざというときにも心強い。

それに、これまでの医師と違い、話は聞くがうわべだけで、帰るときに薬をたくさん出すので薬がたまる、などということはなく、正直に全部話してもよいので気が楽だった。

病院の敷地内に庭があり、そこで出掛けに母が作ってくれたお弁当を食べた。

妻の表情も明るかったようだ。実は妻はこんな病気でも、いやなところに連れて行くと結構抵抗する。なので、どうもこの病院と医師は気に入ったようだ。

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